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精神鎮静法について

精神鎮静法20150718

精神鎮静法は無痛治療というよりも、歯を削る音や振動、薬品のにおいなどが苦手で治療が受けられないという患者さんにうってつけの麻酔法法です。

リラックス効果の高い麻酔薬を利用して、うとうとした状態で治療が受けられるので恐怖心や不安感が軽減し、口の中を触れられると思わずえずいてしまう、嘔吐反射の強い患者さまにも高い効果を発揮します。
治療中も会話が可能で入院の必要もない安全性の高い方法ですが、歯を抜いたり神経をとったりするような強い痛みをとることはできません。その場合は必ず局所麻酔を併用します。
精神鎮静法は、笑気ガスを吸入する吸入鎮静法と、血管に鎮静薬を注入する静脈内鎮静法の2種類の方法が用いられています。

(1)吸入鎮静法

笑気と呼ばれる麻酔ガスを吸入すると不安感や恐怖心の少ないリラックスした状態になります。この性質を利用して、70%以上という高濃度酸素(空気中の酸素濃度は21%です)とともに笑気を吸入することで安全で快適な全身状態を作り出す方法が吸入鎮静法です。

小さなお子さんでも安心してできる笑気吸入鎮静法です。ただ、笑気ガスを吸入することで体の中の圧力が部分的に上がることがありますから、目や耳、肺に病気を持っていると使えない場合があり、あと妊婦さんの使用はできません。

歯科治療に対して強い恐怖心をお持ちの方や、小さなお子さんでも快適に治療が受けられるようになる優れた方法で、また、高血圧や狭心症などの循環器疾患や糖尿病や甲状腺の病気をお持ちの患者さんは、精神的ストレスで全身状態が大きく変化します。
これらの患者さんの歯科治療に吸入鎮静法を用いると安全性が向上することが知られています。

この方法の特徴は調節性があり、呼吸、循環機能の抑制が少なく、鎮痛効果で注射針を歯肉に刺す程度の痛みはほとんど感じることなく安全性が高いことです。治療が終わって笑気の吸入をやめると、3分ほどで、血液中に溶けていた笑気は急速に体内から排出され、15分程で、完全に麻酔から醒めますので入院する事もなく帰宅することができます。

治療そのものが保険内の治療でしたら保険適用となりますが、治療の内容が自費治療の場合ですと笑気吸入鎮静法も保険外診療になります。

(2)静脈内鎮静法 

笑気よりさらに高い効果を持つ鎮静薬を血管内に注入する方法を静脈内鎮静法と呼びます。

笑気では十分な効果が得られない患者さんや親知らずの抜歯、インプラント手術など口腔外科手術などによって、人体を切開したり、人体の一部を切除する行為や薬剤の投与による大きい処置を行う場合に用いられます。強い効果が得られる反面、安全に行うためには全身麻酔に準じた設備と技術が必要となります。

この記事が書かれた日:2015年07月18日
カテゴリ:精神鎮静法

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